さて、マウンテンバイクの遊び方の内の一つで「ダートジャンプ」が有ります。
これは土の上に土のう袋等を用いて小山を作り、それをジャンプ台にして飛ぶ
というものです。
ジャンプ台を飛んだ空中でハンドルを回す、空中で自転車を寝かすなどの技を
入れたり、ジャンプ台を連続して作り、それを連続して飛びこえていくなどを
して遊びます。この連続したジャンプ台を「トレール」ともよび、「ダートジャンプ」
を「トレールライディング」と呼ぶ場合もあります。
ま、技を入れるということは、いかにかっこよく技を決めるかというような
楽しみで、「トレールライディング」においての楽しみは、それは空中浮遊、
無重力を感じられることです。
初めて飛ぶジャンプ台を飛ぶ前には今でも本当に緊張します。だってこけたら
結構な怪我をしてしまいます
からね。何回かそのジャンプ台の下をうろうろと観察したりしながらそのジャンプ
を飛べた時を想像します。「無理かなー?いけるかなー?」とか考えながら。
そしてこけるかもしれないと言う恐怖心よりも「飛びたい」という好奇心が
勝ったとき、初めて助走路に入っていくのです。小刻みに体を揺らしながら
集中力を高め、自分で自分の感情を高ぶらせてアドレナリンの分泌を行い、
ジャンプ台の手前でスパートをかけます。ジャンプ台をにらみつけながら最後の
スパートをかけ一気にダッシュ!そして正に飛び出すという瞬間に力の方向を
空に向けてジャンプ!重力に逆らって飛び上がった後、上にも下にも行かない、
力の全く掛からない空間を抜け、やがて思い出したように地球に引っ張られて
落下していきます。そして自転車の角度を地面の傾斜に合わせて頭から落ちていき、
そのまま「クンっ」と僅かなタイヤの音のみをさせてまた次のジャンプ台に
意識を高めていきます。
特に難しいのは着地の瞬間で、ちょうど小山の下り坂になった部分にマウンテン
バイクの前輪を当てるように下げて、頭から着地していくイメージで落ちていく
のです。つまり着地のときはマウンテンバイクは下を向いているのです。
この着地が上手く出来ると、自転車は美しい放物線を描きつつ上昇し、頂点の
最も高い部分で一瞬の無重力を感じ、重力に引かれて音も無く着地していくのです。
着地が失敗した時は「ガツン」といった衝撃を感じるのですが、これが上手く
いったときは本当に衝撃も音も無くジャンプを飛びつづけられるのです。これが
、マウンテンバイクの空中での「コントロール」というわけで、その気持ちよさ
と加速感と満足感は飛ぶ直前の集中の度合いにも比例し正に別格の味わいです。
おや?よく見るとこのジャンプ台って真中が有りませんね。そうなんです。何せ
人力で造る物ですからなるべく手間が掛からないようにと、真中は崖になっています。
だって、飛んでしまえば真中は無くても同じですから。
もちろん、真中に落ちてしまえばちょっと痛い目にあってしまいます。よって飛ぶ
ときは失敗は許されないのです。ので、かなりの集中力を要すことになります。
ジャンプを飛ぶ直前の助走で一気に集中力を高め、体内にアドレナリンを分泌させ
(こけても痛くないようにって、いやいや)、潔くパホ〜ンっと。
この飛んでる瞬間が気持ち良いんです。上手く説明できませんが。けど、ジェット
コースターや急流すべりの落ちていく感覚が大好きな人はきっとはまっちゃうん
じゃあ無いでしょうか。
あと、1つ注意点としては、ジャンプ台を飛ぶにしてもいきなり大きいのはやっぱり
飛べません。怖いし。
ですので小さいジャンプ台から順番に飛んで練習しなければいけないのですが、一度
飛べた人にとっては小さいジャンプは土の無駄になってしまいます。ですので「自分
が飛びたいジャンプ台は自分で作る。」というのが原則です。よって、この写真って何処?
というような野暮なご質問はご遠慮くださいね。さあ、貴方も今日からスコップを
持ってマウンテンバイクに乗りましょう!