新型のFP3が前作FP5と性能差があまりない仮定での話にはなってしまうのですが「FP5」は本当にかなり高性能なバイクでした。硬すぎない剛性感、路面にタイヤが吸い付く感じ、振動減衰性、低重心な走行安定性、走行中の音の静かさ、どれをとってもかなりレベルが高いのです。カーボンフレームの老舗であるTIMEやLOOKの20万円台のフレームから完成車にしても「FP5」の性能をを超えるのは容易ではない、それぐらいの性能を持っていました。

当店でもFP5以前のF3:13から数えるとおかげさまで本当にかなりの台数を納車させていただきました。FP5とF3:13はフレームの性能がとても高くしなやかな乗り味で人気があり当店でもお勧めしておりました。ただ何台も組み立てている過程で一般的な走行には全く問題はないのですが「ココを直せばもっと良いのに」と思っていたことが実はフレームの構造的なことで2点だけありました。1点はフロントディレラーの巻き取りバネがシートチューブに接触しやすいことと、カセットのトップ側を大きくするとシートステイエンド付近でフレームの内側にチェーンが当たりやすいことでした。FP5やF3:13はF4:13と同じ金型を使っています。そのF4:13が設計されたのは3〜4年前となりますので設計が古い？のかもしれません。ですからこの2009年モデルとして新発売される「FP3」を見るとやはりフレームが改良されているのです。シートチューブにはへこみがありフロントディレラーが当たらなくなっていますし、シートステイにもチェーンはかすらないように広げて設計されてあるのです。気になっていたこれらが解消されていることからもフレーム設計からは「FP3」に死角はいまのところ見当たりません。ただ完成車に標準で付くピナレロオリジナルのブレーキキャリパーとクランク（アテナはカンパ製）はあまり良くありません。ブレーキがきかない訳でも変速がしない訳でもありませんが新型6700アルテグラの本来持っている性能を下げているようにしか思えません。ホイールは2010年からカンパニョーロ製に変更されています。カムシンと同グレードですから強度＆耐久性には問題がないにしてもホイール前後で2kgもあるのは考えものです。ハンドルは2010年モデルから使いやすそうなショートリーチハンドルが標準で付いています。

アルテグラ仕様でクランクとブレーキをシマノ純正に交換すればプラス￥40,000ぐらいかかり総額で約￥428,000になります。ホイールがおまけ程度だと妥協し、新型6700フルアルテグラ仕様でこの価格ならば「FP3 CARBON」の性能を考えるとまだお勧め第一候補の座は揺るぎないです。ホイールをフルクラムのレーシング3に交換してもまだ50万円以内です、完成車で7.6kgぐらいで、お〜良いバイクになります。もちろん変速性能がかなりリニアなタッチになったカンパの新型アテナ11s仕様もありです。